もうひとこと:2017年5月号「Brand-New人事System」取材後記
IDCフロンティアさんの取材は2回目になります。しかし、今回は、ちょっと驚きました。これほど風通しのよい会社だったのかと。本誌の取材は創刊の年からですので25年以上になります。人事担当者が新しい制度を通すのに苦労したお話は随分、お聞きしてきました。役員に却下されたなどということは珍しくもありませんが、これは課長職以上のお話。役職の肩書きもない若手の女性社員の提案、それも週4日勤務も可能な新しい働き方という大胆な制度の提案では、まず、普通の企業ではあり得ないのではないでしょうか。ここ数年、新しい働き方の取材を何度かしていますが、時代の変化もあるのでしょうね。

もうひとこと:2017年3月号「Brand-New人事System」取材後記
女性労働者の「再雇用特別措置」が、1985年に男女雇用機会均等法が施行された当時に規定されていたことについては、意外と知られていないかもしれません。努力義務とはいうものの、「ブーメラン採用」が盛り込まれ、現在の育児・介護休業法に引き継がれています。その意味で、「ブーメラン採用」の最近の導入事例について、一定の線引きが必要だと考えます。今回、取り上げた富士通の「カムバック社員制度」は、育児・介護はもちろん、配偶者の転勤に加え、転職による退職までも対象としています。特に転職者の再雇用こそが、アメリカ型の「ブーメラン採用」であり、今後、どこまで導入企業が増えるかが注目されるところです。なお、先日、富士通広報IR室の松本さんから、ICTを活用した富士通の「働き方改革」として2017年4月より「テレワーク勤務制度」を正式導入する旨のご案内をいただきました。いずれ、本誌で紹介させていただければと思います。

もうひとこと:2016年12月号「Brand-New人事System」取材後記
大学のキャリア対策講座で長年、宅建士試験の受験指導をしている関係で、不動産業界の実情はある程度知っているつもりです。かつて、私自身も宅建士登録をしていたことがあります。そういえば、シンクタンク研究員のときに不動産業界も担当していたことを今、思い出しました。さて、今回、取り上げた投資用マンション業界ですが、実は昨年、教え子が就職しています。しかし、まさに典型的な利益至上主義の会社でまだ在職しているかどうか。FGHのように「多数標準」という理念の企業であれば、本人の成長にも資するところ大だと思います。業界研究の不勉強さを恥じているところです。

もうひとこと:2016年10月号「Brand-New人事System」取材後記
イオンの取材当日、お話を伺ってから、本社ビル2階の「イオン歴史館」を案内していただきました。入館すると、イオンの年譜が壁面に写真とともに記され、随所に資料が展示してありました。新入社員は必ず、ここを見学するとのこと。岡田屋に始まるイオンのDNAを学ぶわけです。ところで、私の住む市にも店舗面積4万uを超えるイオンモールがあります。最寄駅の1つに直結していることもあって頻繁に利用しています。毎日の晩酌のビール、酎ハイ、日本酒は100%店内での購入です。もちろん、箱買いで一度に数ケースとなりますが、他の買い物と一緒に即日配達してもらって収納ケース1つにつき、わずか100円という安さ。重宝しています。

もうひとこと:2016年7月号「Brand-New人事System」取材後記
本誌で長年書いていますが、考えてみれば、採用ネタは数年ぶりです。ADKの「相棒採用」は、メンター制度の入口という捉え方をすると、人材育成の観点からも大変効果的な仕組みになるように思います。今の若者は、新人類といわれた私の世代より、モチベーションに左右されるところが大きいような気がします。普段、大学で学生たちと接しての実感です。その意味で、入社前から親身になってアドバイスしてくれた先輩社員は、何でも相談できる貴重な存在といえるでしょう。先日、3年前に卒業した大学の教え子にばったり会いました。聞けば、会社を辞めて転職活動をしているとのこと。辞めた理由が、まさに「モチベーションが上がらない」でした。相棒採用のような制度があれば違ったんだろうな、と思うことしきりでした。

もうひとこと:2016年5月号「Brand-New人事System」取材後記
ここ数年、この連載「Brand New 人事 System」では、IT業界を取り上げることが増えています。その背景には、企業のIT投資が盛んになっていることがあります。人事労務の分野にも波及しているといえるでしょう。先日、システムインテグレーター大手のNTTデータが15年度決算の業績が史上最高であったことを発表しました。金融や公共分野を中心にITシステム開発のプロジェクトが激増しているわけです。これに伴い、IT技術者の需要が増えています。ところが、現状では絶対数が不足しているうえ、NTTデータのような大手に人材は集中しています。今回、取材させていただいたIDCフロンティアの「フルチャージ入社制度」(中途採用の社員を対象に入社日から1ヵ月間の特別有給休暇の取得と、試用期間満了後に100万円を支給)は、IT技術者争奪戦の切り札として実施されたものですが、その効果は絶大だったといえます。4月25日、同社は、すべての募集職種へ拡大することを明らかにしました。

もうひとこと:2016年4月号「Brand-New人事System」取材後記
サイボウズは、2度目の取材になります。前回は、2010年10月号「雇用機会の創出と業務効率の向上へ,自社のグループウェア製品を活用した在宅勤務制度を試験導入」で伺いました。早いもので5年以上も前になります。今回の記事にも書きましたが、ちょうど多様な働き方の諸制度の導入が矢継ぎ早に推進され、離職率も大きく改善された時期だったわけです。同制度も当初、月4回という利用上の制約がありましたが、その後、選択型人事制度の導入もあり、今では恒常的に在宅勤務をする従業員も存在しています。「100人いれば、100通りの人事制度」という言葉は当時の取材中では出なかったように思いますが、今回の取材で全体での位置づけがよく分かりました。

もうひとこと:2016年2月号「Brand-New人事System」取材後記
今回の取材のきっかけは、「バリフラットモデル」導入についてのプレスリリースです。当然、このテーマにスポットを当てて取り上げるつもりだったのですが、実際にお話を聞いてみると、そこに至るまでの紆余曲折の経緯が興味深い。まさに山あり谷あり(谷あり谷ありが適切?)の中で生まれてきた大胆な制度だったわけです。おまけに中村社長は出向だというのですから2度驚きました。これまで別の連載も含めて、何人ものベンチャーの創業者にお会いしてきましたが、第一印象はまったくもってそのもの。着任されてからの取り組みもそうです。ISAOは立ち直ったというより、DNAも組み替えられて新生したというのが、私の受けた印象ですね。

もうひとこと:2016年1月号「Brand-New人事System」取材後記
インターネット環境の整備が驚くべきスピードで進んできました。今回、テレワークについて取材したわけですが、20年ほど前に取材した事例を思い出します。外資系企業が在宅勤務を導入したというものでした。ネット環境がない当時、会社との連絡で使われていたツールはファクスだったんですね。比べて今回の日本マイクロソフトは、携帯端末への移行やクラウド化によって状況が変化していることに着目し、自社の開発ツールを活用したテレワークの推進に向けた舵取りをしています。こうした迅速な取り組みが、働き方の変化には不可欠なのだと痛感しました。

もうひとこと:2015年12月号「Brand-New人事System」取材後記
10月22日の朝、テレビ番組をNHKに変えたところ、『「中核社員」の仕事と介護両立のカギは』を放送中で、ちょうど三州製菓の「一人三役制度」が紹介されていました。NHKでは基本的に特定の社名は放送しないのですが、この制度名はオープンにしてたのです。そこでネットで検索すると、同社の制度であることが判明。すぐにホームページから取材の依頼をしました。すると、わずか2時間ほどで直接、斉之平社長から取材に応じていただける旨のメールが! 翌日、春日部の本社にお伺いしたわけですが、女性の活躍について社会を啓蒙していこうという斉之平社長の使命感がひしひし伝わってきました。

もうひとこと:2015年11月号「Brand-New人事System」取材後記
今回取材したリコーリースの「育メン・チャレンジ休暇制度」は実に大胆な取り組みです。何しろ、男性社員に育児のための休暇の取得を義務化し、さらにその時期まで特定しているのですから。おそらく一般的な企業であれば導入はかなり困難でしょう。女性社員の割合が半分を占め、彼女たちの活躍なくしては業務が成り立たないからこその施策です。口で男女共同参画というのは簡単ですが、家庭では育児は女性に押しつけているのが現実のように思います。その大変さを共感することは職場での男性社員の意識も変わるに違いありません。ただ、仕事抜きにしても、育児に関わることで得られることは実に大きいものです。これは育メンだった私自身の実感です。

もうひとこと:2015年10月号「Brand-New人事System」取材後記
今回の伊藤忠テクノソリューションズさんには、一昔前に取材でお伺いしていました。1995年、旧社名「伊藤忠テクノサイエンス」の頃で、媒体は『賃金の新しい決め方』という別冊資料集でした。私は、これまで執筆を担当したものは基本的に概要一覧表でまとめています。それによると、こんなふうに書いていました。「バブル経済崩壊による平成不況初期、日本企業の強みといわれた終身雇用、年功賃金などの日本型雇用慣行が足枷と認識されるようになった。本書では、こうした観点から賃金制度の改定を先取りした50社を大企業から中小企業まで、また業種も幅広く取り上げた。アデランス、伊藤忠テクノサイエンス、カシオ計算機、日本建鉄、京王プラザホテル、沖電気工業、オリンパス光学工業、帝国データバンク、ニコン、ユニバーサルガーメイシステムを担当」。95年というと、20年ほど前になります。時の経つのは早いものです。

もうひとこと:2015年9月号「Brand-New人事System」取材後記
一昔前、中小企業診断士試験の受験対策本として『労務管理』を執筆し、講義も担当したことがあります。そのために結構、勉強もしたわけですが、個人的に「人間関係管理」という分野に興味を持ったものです。20世紀初頭の科学的管理であるテーラーシステム、ホーソン実験、行動科学など、労働者を単なる生産要素の一つとみなして管理するのではなく、社会的感情を持った人間として扱う管理手法が研究されてきました。いかにモチベーションを上げて労働意欲を高めるか、これが課題だったんですね。目標管理制度、提案制度、小集団活動などいずれもその具体的な施策です。ところが、なかなか期待するような成果を出すのは簡単ではありません。今回、取材したディスコの「Will会計」は、見事にモチベーションを高め、成果を出しています。伝統的な手法との大きな違いは、労働者が管理されているのではないことでしょう。皆さん、ゲームにはまるように楽しんでいるのがポイントです。自分が楽しいからやる。その結果が企業としての成果に結実しているわけです。こんな手法があるなんて目からウロコでした。

もうひとこと:2015年8月号「Brand-New人事System」取材後記
東京商工会議所が、 『中小企業の人材確保・育成10カ条〜企業成長の源泉は人材にあり』 という40ページほどの小冊子をまとめています。中小企業を取り巻く現状を分析したうえで、人材の確保・育成に積極的に取り組んでいる中小企業へのアンケート、ヒアリング調査を実施し、具体的な事例を紹介したものです。これを見ても、今回取り上げたジーアンドエフの「ITインフラ技術者育成プロジェクト」が採用の段階からして、かなりユニークなことが分かります。まずは、人材マーケットには、大手企業からこぼれ落ちた優秀な人材が存在しているという発想です。ぜひ、参考にしていただきたいと思います。

もうひとこと:2015年7月号「Brand-New人事System」取材後記
ヴィアホールディングスのキャリア等級制度は、職能資格制度をベースにしています。職能資格制度は、日経連が昭和40年代に考案し、多くの大企業で導入されてきました。しかし、バブル後、企業の業績悪化とともに年功的な側面が批判にさらされたことは周知の通りです。実は、私の大学院時代の修士論文は「職能資格制度の再評価―日本型雇用において果たした役割」(2002年)と題するものでした。運用面での問題点を指摘しつつも、制度の経済的合理性を評価しています。今回、お話を伺った執行役員の奈良岡さんは、私が制度の研究をしていたほぼ同時期、すかいらーくの人事責任者で、職能資格制度を牽引してきた楠田先生のセミナーを受講されていたとのこと。奇遇なことに驚きました。

もうひとこと:2015年3月号「Brand-New人事System」取材後記
私の趣味の一つに料理があります。当然、食材の買い出しもしますので、仕事帰りにスーパーに寄ることは日常的です。最寄駅が3ヵ所あるため、私が常連になっているのは中堅大手の3店舗。それぞれ地域特性からカラーがあります。以前から気になっていたのが、その店舗の店長さんの写真が張り出されていて、大抵、どこのスーパーでも、2〜3年で変わること。すると、お店の雰囲気、何と言うか、店員さんたちの立ち振る舞い、買い物の動線、商品の位置など、微妙な変化が見受けられることがあります。よい意味での変化よりも、気づくことが多いのは悪い意味での変化が多いように思います。今回、取材をして、スーパーが「地域社会とともに発展できる企業」だということがよく理解できました。店長さんはじめ、社員の方々によるところが大きいわけです。顧客の1人としては、地域に馴染んだよい雰囲気は変わってほしくはないですね。

もうひとこと:2014年12月号「Brand-New人事System」取材後記
私は、本誌の創刊の頃から取材をしていますが、今回、伺った知財コーポレーションのように女性管理職が多い企業は初めてです。ふと、思い出したことがあります。92年ですからふた昔の話になります。当時、コース別雇用管理制度として「総合職」に次ぐ「準総合職」を新設する企業が相次ぎ、複数の企業を取材しました。同制度は、女性従業員の有効活用を目指したものだったわけですが、現実には横並び意識で導入され、うまく機能していませんでした。理由は、対象となる女性従業員の数が極めて少ないこと、担当業務が十分に考慮されていなかったことなどが挙げられます。結局、一般職の女性従業員と同じを業務をすることになり、男性従業員(全員が総合職です)のみならず、女性同士との関係にも溝ができ、退職してしまうケースが少なからずありました。知財コーポレーションが成功している理由を考えたとき、こうした点をクリアーしていることが大きな要因になっているように思います。そもそも、男女関係なく本人と仕事がマッチしていることが大前提です。これをどう実現していくのか、女性割合の数値目標よりも先に考えていく必要があるのではないでしょうか。

もうひとこと:2014年10月号「Brand-New人事System」取材後記
今回、取材に応じていただいた来栖寿江さんは、今年4月1日付で人材開発センター長に就任されたばかりですが、日本バルカー工業初の女性CEOでもあります。特筆すべきは、瀧沢利一社長の就任時から17年間にわたって秘書として支えてきた方だということ。「トップの考えていることは大筋わかります。確認しなければならないことと、勝手に進めていいことが大体わかるんですね。つまらないことでも確認したほうがいいこともあります」こう話されていたのが印象的でした。同社の「社長塾」は、瀧沢社長の思いが強いだけに、事務方の責任者としては、まさに「余人をもって代え難し」ということでしょう。

もうひとこと:2014年8月号「Brand-New人事System」取材後記
先進諸国に比べて、日本人は労働生産性が低いと言われことがあります。異論もあるようですが、代替性のある裁量型の業務では当てはまるケースもあるように思います。とりわけ、残業時間に入ると、その傾向が強くなるのではないでしょうか。ダラダラと時間を浪費したり、気晴らしタイムを入れたり、私も大いに心当たりがあります。リコーの新フレックスタイム制度は、この点の改善に主眼を置いて、従業員の意識改革にまで踏み込んだものです。トップの判断で一旦、休止になったフレックスタイム制度を新しい形で再開させるには、かなりエネルギーを要したと察します。入社以来、人事畑一筋の中村部長の力量によるところなんでしょうね。

もうひとこと:2014年7月号「Brand-New人事System」取材後記
当日の取材には、広報の河本澄子さん、人事部長の土泉智一さんにも同席していただきました。こうした場合、通常、担当部長さんが中心になってお話されることが多いのですが、今回は人事部マネージャーの久佐野悠さんが全般にわたってお話くださいました。私の数多い取材経験でも異例です。さすが、化粧品のクチコミサイトの企画・運営で業績を伸ばしてきた企業だというのが、私の印象です。やはり、こうでなければいけないと思います。女性に権限が与えられ活き活き働くことで、顧客である女性の心に訴えるサービスが提供できるのでしょうから。

もうひとこと:2014年4月号「Brand-New人事System」取材後記
先日、『2022――これから10年、活躍できる人の条件』(PHP)を改めて読みました。「あと10年で、会社はなくなる」など、かなり衝撃的な内容が書かれている本です。2年前にベストセラーになっているのでお読みになった方は多いと思います。今回、エンファクトリーの「専業禁止」を取材して、この本のことを思い出しました。著者は、近い将来、日本の大転換が訪れると言います。生きる力は戦後のシステムの延長では得られない、とも。「専業禁止」は、ビジネスパーソンが自ら生きる力を身につけるシステムなのではないでしょうか。

もうひとこと:2014年2月号「Brand-New人事System」取材後記
大和ハウス工業の今回の制度改定は、トップダウンで行われています。当面、100社を数えるグループ企業のうち16社の一元化を図ったわけですが、グループとはいえ、規模、業種など多様なため、同じシステムのパッケージが業務に馴染まないケースがあることは想像できます。社の大号令だけでは、現場が納得してくれない一面もあるでしょう。人事担当者共通の悩みかもしれません。

もうひとこと:2013年12月号「Brand-New人事System」取材後記
アイ・ティ・フロンティアにおいてBOYDの導入が成功した要因は、IT企業として意識が高かったことが挙げられます。スマートフォンの普及率の高さ、セキュリティ問題の解決などはその一例です。しかし、それ以上に、導入担当者の皆さんの熱意とアイデアが大きな要因になったことは間違いないと思います。まず役員を説得するために、スマートフォンのよさを実感してもらう。とても素晴らしいアイデアではないでしょうか。手取り足取りのフォローは大変だったようですが。社員に対するアンケートについては、1回で済むように質問事項の作成に1ヵ月かかったと言います。現在、BOYDの導入を考えている企業の担当者は、是非とも参考にしてください。

もうひとこと:2013年11月号「Brand-New人事System」取材後記
今年3月、政府の規制改革会議が雇用分野の重点項目をまとめましたが、その中に「非正規労働者を正社員に転換する仕組みづくり」がありました。島屋の「セールスキャスト」は契約社員であり、正社員に優先採用する同社の制度は、まさに先取りした取り組みだといえるでしょう。販売に特化したセールスキャスト導入に際しては、「同一労働同一賃金」が課題とされていました。欧米の人事制度では当たり前のことですが、日本ではあまり意識されていないようです。この点についても「いつも、人から。」という同社の経営理念を感じます。今回、改めて島屋の歴史を振り返ってみて、日本初、業界初の取り組みが多いことに驚きました。

もうひとこと:2013年8月号「Brand-New人事System」取材後記
社内コミュニケーションとしては、東証一部上場企業でも、ほとんどの企業がまだPCメールを利用しており、社内SNSの普及率はわずか1割程度に過ぎません(「ビジネス・コミュニケーション調査」)。これは、社内SNS導入の難しさが広く知られているからではないでしょうか。ネクシィーズの場合、失敗するケースとして挙げられる「全員に一斉展開」にあえて踏み切りました。にもかかわらず成功している要因は、カリスマ社長のもとで「オールネクシィーズ」という企業文化を培っていたことが大きいといえます。こうした背景を持たない企業が全社員に一斉に使わせようとしても、失敗することは目に見えています。まして、トップや管理職が社内SNS導入に積極的でない場合は何をかいわんやですね。

もうひとこと:2013年3月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
ビギナーがダンスをする場合、慣れるまでは時間がかかるものですが、アルゼンチンタンゴでは、男性のほうが女性の10倍も大変だそうです。その理由は、リードするのはすべて男性だから。男性は音楽を聴き、女性をリードしながら、他の組にぶつからないように周囲に配慮しつつ、方向を変え、ステップを選びながら踊るのです。女性は一歩たりとも先読みして踊ってはなりません。リードできない男性と組んだ女性は悲劇となります。男性の責任は非常に重大なわけですが、その分、自由に自分の感性を表現をできる特権があります。協会会長の江口さんは、次に生まれ変わってタンゴを踊るなら、絶対に男性がいいと思っていたとか。

もうひとこと:2013年1月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
取材にはご主人の敏一さんにも立ち会っていただきました。千鶴さんの思いは半端ではないようで、飼い主の犬に対する扱いのひどさについて語る場面では、ご主人が冷静になるようにストップをかけることもありました。仕事として割り切ることも必要だ、と舵取りをすることも敏一さんの重要な役目になっています。ご夫婦での役割分担がとてもうまくいっている印象をうけました。犬濯屋川村でトリミングをしてもらった犬は、ますます飼い主に大切にされて幸せだと思います。

もうひとこと:2012年11月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
まったくの独学から第一人者となるのは、常人では真似できない努力が必要です。試行錯誤の繰り返しが不可欠だからです。宇田さんは、まさにこうしたご苦労を経験されて今に至っています。私は、どの分野であれ、持って生まれたセンスだけでなく、作家のものづくりの経験が作風に影響を与えるものだと考えます。宇田さんの作品も、ただ精緻であるだけでなく訴えてくるものがあります。お弟子さんが独立することがいかに大変か、ふと考えてしまいました。

もうひとこと:2012年9月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
「急がば回れ」。小石さんに革財布職人の要件を伺って、頭に浮かんだ言葉です。確かに器用な人間は得てして、基本をないがしろにして事を急ぐ傾向があります。その時は結果が早く出て評価されるのですが、結局は大成しないということです。ビジネスの世界でも同じことが言えますね。

もうひとこと:2012年7月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
長尾さんご兄弟は、工房では、互いに向かい合って仕事をされています。現在は昔のように全体をコーディネートする版元が存在するわけではありません。ですから、細かなところで確かめたいことがあれば、彫師と摺師が直接やり取りする必要があります。この点長尾版画匠は理想的なわけです。おまけに気心も知れています。ご両人とも大変寡黙な方ですが、そこはあうんの呼吸なんだろうと感じました。

もうひとこと:2012年6月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
ブライダル司会者の仕事に定年はありません。神子さんによると、「引退を考えなければならなくなるのは、立つのが辛くなったり、言葉が出なくなったりしたときです」だそうです。常に向上心を持って臨まれていることは書いた通りですが、ラジオも重要な存在になっており、情報番組での司会者とタレントと掛け合いから、ご自身が司会をする際のヒントが拾えると言います。「見て盗む、聴いて盗む。そこから自分流を創ることを心がけています」(神子さん)。本当に頭が下がります。

もうひとこと:2012年4月号「この業界の人事に学ぶ」取材後記
楽器の音色にはその演奏者の人柄が顕れるということを聞いたことがあります。今回、「この業界」でインタビューした箏演奏家の阿佐美穂芽さんは、凛としていながら、おっとりとした穏やかな印象を受けました。これまで多くの女性のフリーランスの方にお会いしてきましたが、ほとんど例外なく、強い上昇志向の持ち主でした。楽器にもよるのでしょうが、箏演奏家には当てはまらないように思いました。箏の音色にギラギラした響きは馴染みません。

もうひとこと:2012年2月号「Brand-New人事System」取材後記
「20大雇用」とは、また、なんと大胆な取り組みを宣言する企業なのでしょうか。障がい者雇用については、記事にも書いた通り、渡邉社長は待遇改善に向けて明確かつ具体的なビジョンをお持ちです。それもビジネスとして収益を上げながらです。取材後、非常勤講師をしている介護福祉士養成の専門学校でこの話をしました。学生たちは、障がい者の給与が現状でいくらかなのかはよく知っています。みんな驚きのあまり、目が点になっていました。これまで多くの経営者の方にお会いしていますが、今回はかなり衝撃を受けました。

もうひとこと:2011年10月号「Brand-New人事System」取材後記
テレマーケティングジャパンは、ベネッセコーポレーションと同様に女性従業員の割合が高い企業です。20年ほど前、女性の総合職、準総合職について複数の企業を取材したことがあります。うまく機能していたのは、女性従業員の比率の高いところだったことを覚えています。今回、人事総務部部長の山根さんのお話を伺っていて、ふと、そんなことを思い出しました。

もうひとこと:2011年8月号「Brand-New人事System」取材後記
真剣に在宅勤務に取り組む企業が増え始めました。15年前にドイツに本社を置チェーンソー販売会社日本支社の事例を取り上げたことがあります。社員とのやりとりはファクスで行われていたものですが、時代は大きく変わりました。パソコン、インターネット、そしてネットワンシステムズのような仮想デスクトップ環境の整備とシンクライアント端末の活用。運用やセキュリティ面においては、もはや在宅勤務制度導入において十分な環境が整いつつあります。しかし、変わっていないのは日本の宮仕えの文化。在宅勤務の日は近所の奥様方の目が気になるとおっしゃっていた下田氏の言葉は、多くのサラリーマンに共通の思いではないでしょうか。

もうひとこと:2011年5月号「Brand-New人事System」取材後記
ワークスアプリケーションズは、日経ビジネスの2010年版「働きがいのある会社」で1位に輝きましたが、従業員が、そう感じているその秘密のひとつが「アドミンスタッフ」であることは間違いないでしょう。何しろ、その職務が「社内コミュニケーションの活性化と文化の浸透」なのですから。まさに日々、「働きがいのある会社」にするためにアンテナを張って、具体的なタスクを実現しているのです。労務管理の教科書では、従業員のモラールアップのための人間関係論に基づく諸制度が紹介されていますが、職務そのものがその役割を担っている「アドミンスタッフ」は実にユニークだと思いました。

もうひとこと:2011年3月号「Brand-New人事System」取材後記
富士電機ホールディングスは、日本経済新聞社の「働きやすい会社」調査のランキング常連組です。女性活躍推進など、ダイバーシティーの取り組みが高い評価を得ているのでしょう。その成果は、達成数値だけでなく、ご担当の市田さんがいきいきと語られている姿からも伺えました。人事勤労部部長の矢座さんには、休暇明け早々のご対応ありがとうございました。それにしても市田さんはガラパゴス諸島で休暇をとられたとのこと。さすがです。

もうひとこと:2011年1月号「Brand-New人事System」取材後記
「企業は人なり」を標榜する企業だけあって、人材育成について至れり尽くせり、という印象を受けました。キャリアプランを意識した人材開発メニューが実に豊富で、日本経済新聞の「働きやすい会社」調査において、常に「人材育成と評価」の部の上位に位置づけられるのもうなずけます。人事部長兼人財開発部長の坂田さんには、十分な資料を前によどみなくご説明いただき、これほど楽な取材もないくらいでした。プレゼンの名手に違いないと拝察しました。

もうひとこと:2010年5月号「人にキャリアあり」取材後記
番匠さんには、4年前、キフリを立ち上げられて間もない頃にお会いしています。相変わらず、笑顔が絶えない快活なキャリアウーマンでした。今回は、私生活に触れる部分まで包み隠さずお話しいただいています。原稿にするにあたり、ちょっと迷いはありましたが、「どん底もあったから今のような考えができる」という番匠さんの言葉を思い出し、自主規制を解除しました。DIY。私も久しぶりにやってみたくなりました。

もうひとこと:2010年3月号「人にキャリアあり」取材後記
牟田社長のキャリアは存じ上げてたので、お父上がガテン系の職人さん(大工)だと聞いた時はちょっと驚きました。学究肌の静かで温厚なイメージと結びつかなかったんですね。しかし、次の言葉を聞いてギャップはなくなりました。「私の田舎では、大工の世界に契約書がありませんでした。一戸建ての家を建てる場合も、『俺に任せておけ!』と胸をたたいて仕事を引き受けます。そして、絶対にウソやごまかしがない。見えないところにもこだわる。そこに美徳があるんです」。自分が知らないものはやらない、受講生の数は顔が見える程度にとどめたい、など、経営のコンセプトを見ても、職人気質は確実に受け継がれているようです。

もうひとこと:2010年1月号「人にキャリアあり」取材後記
一般的に創業者は、個性的な人が多いように思います。というより、他人と同じではない自分固有の能力と可能性を求めるからこそ、起業の道を選択するのでしょう。マズローの欲求5段階説でいうなら、創業者は最高次の欲求「自己実現欲求」が旺盛なのだと説明することができます。今回、インタビューに応じてくださったアニコム損害保険の小森社長も例外ではありません。特に、ペット保険に人間の健康保険のシステムを導入するという、新しいビジネスモデルを構築して実現されたことを考えれば、一層、その感があります。その一方で、「根はビビリンチョなんです。ずっと探求して分析し続けないと、脳みそが止まって死ぬんじゃないかという脅迫感があるんですよ。だからサメみたいに回遊しています」とおっしゃっていました。子供時代から、成功体験をそのまま受け入れず、常に自省してこられたところがとても印象に残りました。

もうひとこと:2009年11月号「人にキャリアあり」取材後記
シリーズでは、これまでも20代の若い経営者にインタビューしてきました。今回の株式会社ウィングルの長谷川社長は昨年、大学を卒業したばかりの最年少です。一般の企業ではまだまだ、一人前に扱ってもらえない年齢だと思います。採用・研修ご担当の皆さんはどのような感想をもたれたでしょうか。大学では、今、教育改革が議論されています。大学で学生たちに何を学ばせるのか。サークルやアルバイトでは身につかないことがある、というんですね。しかし、インタビューを終えて考えさせられたのは、「学ばせる」ではなく、学生たちが自ら学ぼうとする気持ち、つまり「自習自得」の精神を持つことができれば、どのような場所であっても成長していくのではないか、とうことです。今の大学教育に欠けているのはこうした視点ではないかと。ほめることも大切なんですね。私も学生たちに向き合う際のヒントになりました。