もうひとこと:2017年7月号「老舗のDNA」取材後記
ほんの数年前まで、「今どきの若者は海外赴任を好まない」という傾向があったと思う。今回、わが国の代表的グローバル企業「クボタ」に行き、そんな話は一過性であったことを知った。新卒採用の最前線に立つ人事部長の近藤渉さんも、「当社の伝統は徹底した現場主義。海外出張、海外赴任が当たり前だと思ってくださいと就活生に伝えている」と明言。「『望むところです!』と応える若者たちが頼もしい」と、クボタ一筋の近藤さんは笑みを浮かべた。失敗を恐れることなく果敢に挑戦し続ける人材たちが集う老舗企業の心意気、ここにありである。

もうひとこと:2017年6月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
会社の業績が好調でも、社員が幸せとは限らない。その理由を教えてくれたのが、ランクアップの岩崎裕美子社長である。「うちの会社、ずっと昔から早く帰れますけど、めちゃくちゃ暗かったんですよ。朝礼はお通夜みたいだし(笑)」。“私たちの経営のどこがいけないの?”と悩んだ岩崎さんはある日、気がついた。「働きやすさを追求するんじゃなくて、働きがいを追求しなきゃダメなんです。そこはすごく反省したところです。だから、“うちの社員、暗くてね”なんて経営者を見ると、かつてのうちと同じだなって思います」。

もうひとこと:2017年5月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
障がい者雇用の総合コンサルティング企業として注目を集めているゼネラルパートナーズ社。「価値は時代と共に変わるもの」が持論だ。「なんとなく“人事”というと、採用の仕事ではまずその“数”しか見ていない気がします。やはりそこには“働いている人の気持ち”があるかどうか、しっかりと判断することが必要ではないでしょうか」。ダイバーシティ経営、多様化、タレントマネジメントなど、職場を取り巻く“価値”をどう見直していくのかが、今後の人事のカギになるのではないだろうか。

もうひとこと:2017年3月号「老舗のDNA」取材後記
今年、創業から120周年の節目を迎える明電舎。「当たり前に続く日常」のために欠かせない社会インフラと深く関わる企業ゆえに、同社で働く1人ひとりの使命感は大きい。そこで記者は“地味にスゴイ”同社の魅力を探るために品川区の本社ビル、ThinkPark Towerへ伺った次第。「これからも多様な人財が活躍できる会社であることが重要」と強調するのは人事企画部の皆さん。今回のキーワード“志を同じくするもの”たちが集う老舗企業のDNAは明日へ、そして未来へと着実に伝えられていく。

もうひとこと:2017年2月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
ビジネスパーソンにとって何が一番気になるのかと考えると、もちろん年収は重要だけれど、やはり「働きがいのある会社か否か」かだと思う。ギークスではその鍵を「対話」にあると分析し、半年に1度の頻度でサーベイを実施。各部署からの忌憚のない意見・要望に目を通すのはもちろん曽根原稔人社長以下、各部署の上司たちである。「無記名ということもあり、かなり辛辣な意見もよく書いてあります。しかし、それらは恥ずかしいものではなく、働きがいのある会社にするための課題なのです」(曽根原社長)。“サーベイは自分の通知表を見ているようなもの”と表現する曽根原社長だが、成績が悪ければ放っておかず、努力して改善に向けて努力するのが当たり前。社員はそういったトップの謙虚な姿勢を評価し、両者の絆は深まるというわけだ。簡単なようで難しく、難しいようで簡単なマネジメントではないだろうか。「社員にウソをつくようなトップは失格」。正直かつ謙虚に生きるスポーツマン、曽根原社長の魅力の一端もここにある。

もうひとこと:2017年1月号「老舗のDNA」取材後記
日本が高度経済成長期に入ったばかりの頃、森永製菓は他社に先駆けて広告部を設置。以来「広告の森永」は同社の代名詞となった。そしてもう1つ。広告部の設置から2年遅れて営業部の下に「企画調査課」なるセクションも誕生。こちらも「マーケティング」という概念が日本の産業界に入り始めたかどうかという時期のことであった。「時代を先取りする先見性もまた森永製菓のDNA」と語るのは同社人事総務部の皆さん。遺伝子を継承する喜びと誇りは紛れもなく新時代へと続いている。

もうひとこと:2016年12月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
ワイン醸造家の井上雅夫さんには、ワインととことん向き合ってきたからこその名言がたくさんある。その一つが「職場はワインセラーのようなもの」。いろんな国の、いろんな種類の、いろんな個性のワインが“しのぎを削る”のではなく、ゆっくりと、仲良く熟成の時を待つ正真正銘の多様性空間がそこにある。「職場はそんな甘いものではない」という意見ももちろんあるだろうが、そこは一つ、冷静になってワインでも。一番重要なことは、誰よりもまず自分自身が熟成しなければいけないということかもしれないと考える私はすでに、酔っている?

もうひとこと:2016年11月号「老舗のDNA」取材後記
新卒採用者が定年まで勤め上げるスタイルが定着している三菱鉛筆。就活生からも「従業員同士の仲が良い家族的な会社」と評価されることが多い、と語る人事部の皆さん。しかし、本当の家族的な会社とは仲が良いだけではないようだ。「家族だからこそ親子げんかもあれば、兄弟げんかもあります。表面的な仲の良さではなく、腹を割って話し合うことのできる仲の良さこそ、当社では大事にしています」。長く愛されるロングラン商品を開発する源は、表面的に目立ったりしないところもまた老舗企業の奥深さなのかもしれない。

もうひとこと:2016年10月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
これまで約1年と6ヵ月にわたり、パタハラ対策プロジェクトを行ってきた佐藤士文さん。雑誌や新聞、さらには海外のテレビ局も含めて、「本当にたくさんの取材を受けました」と感謝する一方、「まだまだ『パタハラ』の認知度は低い」と現実を注視。いつまで活動をやり続けるかは本人にも分からないが、「これからも啓蒙活動していきます」と前へ。見えないゴールに向かって、パパたちはまだまだ走り続けていく。

もうひとこと:2016年9月号「老舗のDNA」取材後記
乃村工藝社の業種は「ディスプレイ業」。人事部長の折笠智和さんによると、1970年の大阪万博を機にその存在が知られるようになった。現場出身の折笠さんは「それまでは建設業という大きな枠の中で埋もれていたプロの仕事が、ようやく日の目を浴びるようになったということですかね」と誇らしげに解説。「空間創造」という誰にもマネのできない仕事だからこそ、「一度でも夢中になると二度と抜けられない魅力的な仕事なのです」と笑う。決して“裏方”とは言わないが、さりとて表舞台に立つ花形役者でもない。100年企業の同社が大切にしている「ものづくりよりことづくり」の妙味がここにある。

もうひとこと:2016年8月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
創立から16年目のアドウェイズ。若く、勢いのある岡村陽久社長が率いるベンチャー企業は今、就活人材も転職人材も一目置く憧れの就職先となった。かつて共に時代を創り始めた20代の若者たちは働き盛りの30代、40代となり、社内組織はちょっと前に描いていた光景とはまた違う未来に視線を凝らし始めている。「今さら“こういう価値観を持とう”みたいなことは言うと嘘になる。だったら、これからも大事にしていきたいものを皆と探っていきたい」。それぞれの視線にある先にあるのは、生涯働ける職場であるか否かの新基準。「俺がやらなきゃ誰がやるとの気概で勝負したい」。社長の言葉1つひとつに力がみなぎっていた。

もうひとこと:2016年7月号「老舗のDNA」取材後記
茨城県は「土浦発」の醤油メーカーとして、古き良き日本の食文化である「醤油」の魂を日本のみならず、世界へも発信し続けている柴沼醤油醸造の18代当主・柴沼秀篤さん。「足場は常にここ」と創業地・土浦を愛してやまない郷土愛の溢れた人でもある。「年間約5,000名の方が醤油蔵の見学に訪れてくれます。そのお1人おひとりと言葉を交わし、蔵人の情熱を伝えるのも私の大事な仕事です」。奢らず、気取らず、淡々と…。世界中のソムリエたちが絶賛する日本の味を守る老舗の若き継承者は、どこまでも謙虚に次の100年を見つめていた。

もうひとこと:2016年6月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
そもそも各職場にはそれぞれのジョブローテーションがあるが、リラクを経営する江口康二社長が展開するその周期は短めの2年。視野の狭いスペシャリストを育てるのではなく、いろいろな人の気持ちが分かる心の広い人材に育ってほしいと考えているからだ。「魅力的な人材を育成するのが当社のミッション。そうすれば利益は後からついてくる」。これもまた江口さんが実践する『モンゴル式経営』の極意の一つだ。

もうひとこと:2016年5月号「老舗のDNA」取材後記
その昔、「白黒つけるぜ!」と叫んで世直しに励んだヒーローが映画の「ゼブラーマン」。一方、「世の中のためになるものづくり」を合言葉に前進し続けているのが、120年企業の『ゼブラ』で働く「ゼブラマン」たち。別に言葉遊びをしているつもりはないが、ただひたすらに突き進む真面目さは両者に共通している。人間が文字を書き続ける限り、『和と団結と信頼』を標榜する縞馬たちの挑戦は続く。

もうひとこと:2016年4月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
根岸榮二社長のこだわりは「時間」。人材育成も企業理念の浸透も、じっくり時間をかけてその時を待つ。急がば回れの心の余裕は、人を育て、企業理念を社会に浸透させていくための必須アイテムだ。「経営の極意は信用第一に尽きます。これを軽く見ては絶対にいけません。だからたっぷりの時間が必要なのです」。食を介して集まる人たちの笑顔を、働く明日の原動力に変えて、今日も「チームねぎし」は愚直なまでに、人の道をゆっくりと歩む。

もうひとこと:2016年3月号「老舗のDNA」取材後記
小泉産業の始祖の名は長い間「小泉武助」が定説だった。しかし、創業から300年目を迎えた今年、不思議なことに、「小泉太兵衛」が正式な名前ということが近江商人研究の第一人者によって明らかになった。「歴史が長すぎて、実は分かっていないことがまだまだあるのです」とは同社関係者の声。触れずにおこうかと一瞬だけ思ったが、やっぱりそれもできない性分なので、以上、お知らせでした。

もうひとこと:2016年2月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
失敗を責めず、ノルマも課さないのが、キングジムの宮本彰社長の人材育成法。だから皆、伸び伸びと商品開発に取り組み、自信を持って市場に打って出ていく。「要は『数打ちゃ当たる』です。一部の人から“待ってました”と言われることが狙い。これが本当の“心地よい空間”の楽しみ方です」。ちなみに宮本社長の趣味は釣りのなかでも最も難しいといわれるヘラブナ釣り。焦らず、じっくり、好機を捉えるスタンスは、氏の経営手法と似ている!?

もうひとこと:2016年1月号「老舗のDNA」取材後記
愛媛県大洲市にある醤油蔵「梶田商店」。醸造責任者である梶田泰嗣さんの好きな言葉に『温故知新』がある。「ものづくりの仕事の肝心なところはすべて、歴史が教えてくれると肌で感じています。父にしろ、先輩たちにしろ、蔵で働く先人が書き残した手書きデータの一つひとつに、醤油や味噌に注ぐ愛情が感じられるからです」。先進のデジタルな世界を否定して生きていくことはできないが、人の温もりがあるアナログな環境で育まれた醤油や味噌はやっぱり、おいしい。

もうひとこと:2015年12月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
そもそも「日本の映画は人気俳優の使いまわしで持っているのではないか?」と感じている人は少なくないと思うが、(株)映画24区の三谷一夫代表に話を聞いてナットク。業界自体に人材の動きがないから新鮮味が感じられなかったのだ。「だからこそ業界の外の人たちにどんどん入ってきてほしい」と三谷さん。これって組織も同じかも。受け入れる側の人たちとの温度差は気になるが、そこは一発、ドーンとやってみれば世の中はもっと面白くなる!?

もうひとこと:2015年11月号「老舗のDNA」取材後記
社員ととことん向き合って語り、自分の人生をかけてもいいと思える仕事かどうかを問い続けるのが小田原鈴廣の鈴木悌介副社長のマネジメント。とりわけ「食」に対する思いは徹底して伝えている。「社員たちにはよく『食』という字は『人』と『良』の言葉からできていると言っています。つまり食べて人が良くなる仕事だと。それが私たちの仕事の本質なのです。だから変なことはできないよねと。こういう話になるわけです」。日々襟を正して仕事に向かうプロフェッショナルな世界がここにある。

もうひとこと:2015年10月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
特定非営利法人ReBit代表の藥師実芳さんこそ、LGBTへの理解を社会に求めるために欠かすことのできない人材である。しかし、「僕らが拠点になってはいけない」と強調。その真意を問うと記者は納得。「1人ひとりが自立しない限り、困難な道は開けない」と、自分に言い聞かせるように語る藥師さんがいたからだ。男性か女性かで悩んでいた時代はとうに過ぎ、1人の人間として力強く歩む若きキャリア・カウンセラーの生き方は、実に堂々としていて爽やかだ。

もうひとこと:2015年9月号「老舗のDNA」取材後記
「旬のものを大切な人に贈ることこそ真心。その真心を絶対に裏切ってはいけません」と千疋屋総本店の大島博社長。たしかに旬を味わう喜びが感じられる一番は果物を食べるとき。それも「SENBIKIYA」ならなおのこと。仮に、この先100まで長生きしたとしても、あのマスクメロンを味わえるとは限らない。だから今、食べたい。だからといって自分で買うのはおかしい。誰か贈ってくれないものか。記者のつまらぬ話に、大島社長は付き合って笑ってくれた。自分のくだらない発言を反省しつつも、やっぱり食べたいと思う夏の終わりの午後3時。嗚呼…。

もうひとこと:2015年8月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
株式会社J.C.O.S「野球の力」の城友博さん。プロ野球選手としての“旬”は短かったが、名将・野村克也監督のもと、主力の1人としてリーグ優勝した経験は貴重だ。「野球人である前に社会人であれ!」と叱咤激励された日々を糧に、今を本気で生きている。「格好が悪くてもいいんです。やらずに後悔するより、やって後悔するほうが納得できますから」。常に次の塁を狙い続ける勝負師の魂は健在。

もうひとこと:2015年7月号「老舗のDNA」取材後記
日本人にとって「家庭薬」は当たり前に存在するが、海外ではちょっと事情が異なるようで、そこには各国との取引拡大を担う太田淳之常務ならではの視点があった。「家庭薬は海外の現地にもないことはないのですが、なかなか日本の企業みたいに何百年続いているというものはありません。だから“いい薬なんでしょう”って信頼してくれます。でも、歴史があるからいい薬じゃなく、いい薬だから歴史がある。この順を忘れてはいけないと思っています」。太田胃散が愛される理由はここにもある。

もうひとこと:2015年6月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
多忙なビジネスパーソンに対し、久世浩司さんが提唱する一つの力が「意志力」。大きな仕事を成功させる核となる強い意志、固い意志を支える意志力の土台となるのは、どうやら睡眠らしい。「きっちり7時間、8時間の睡眠時間を確保して自分の意志の力を一度回復させ、そのうえで仕事に向かっていくというのが、より効率的に仕事ができる基本です」とも。忙しく働くことを自慢していたのははるか昔のこと。ライフスタイルを見直す大きな機会になるかもしれない睡眠について、さあ考えてみましょう。

もうひとこと:2015年5月号「老舗のDNA」取材後記
創業から約420年の歴史を重ねる「宇津救命丸」。社名にも使われている商品の立ち位置はすでにセンターではないが、誰もが知っている有名ブランドであることは事実。いかに少子化とはいえ、子供たちの未来のためになくてはならない良薬だ。「私の責任として500年は続けたい」。使命感あふれる創業家の19代目が発揮する手腕に期待の注目が集まる。

もうひとこと:2015年4月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
本能に即したマネジメントを推奨する森内真也さん。中学時代に「面白い人間になる」と心に決めたためか、人間観察が得意なようだ。「関本さんって優しい話し方をするんですね。電話だとちょっと怖そうだったので…(笑)」。当たっているかどうかはここでは伏せるが、ちょっと嬉しい。「また会いましょう」。自分が面白い人間に観えたかどうかは聞かないことにした。

もうひとこと:2015年3月号「老舗のDNA」取材後記
業歴200年の近江屋ロープを支えているのは、まさに人。若手からベテランまでがお互いに助け合い、喜びも悲しみも分かち合う。「全従業員が一丸となり、経営の危機を乗り越えた絆はどこよりも強いと思っています」(野々内達雄社長)。野々内社長がたびたび口にするのは「人財こそ企業の命綱」。こんなにもピッタリくる言葉はほかにはない。

もうひとこと:2015年2月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
梅島みよさんに生涯現役の秘訣を質問。回答はとても明快だった。「人は育ちが違い、考え方も行動も違うもの。だから人を変えるのは無理です。そう考えると気が楽ですよ」。梅島さん曰く、逆に相手に合わせて自分を変える必要もないようだ。「そもそも自分と同じような人間がいたら気持ち悪いでしょ(笑)」。90歳を過ぎてもなお人生を楽しむ女性である。

もうひとこと:2015年1月号「老舗のDNA」取材後記
にんべんの高津家に家訓は存在しないが伝統の行事は健在。おせちもその一つだ。江戸時代からのレシピが今も津家の正月の食卓を彩っている。「商人の家ですから質素ですけど、風情はあります。ただ手間がかかります。だけど旨い。人付き合いに似ていますね」。付き合えば付き合うほど味が出るのが人情の世界。古き良き時代の心を今に伝える人々がここにいる。

もうひとこと:2014年12月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
裁量労働制の導入を模索するなら、「誰を本当に優遇すべきかを考えることが先決」と語る渡辺パコさん。たしかに“さぼって短時間労働”の人と、“ちゃんと仕事して短時間労働”の人が同じ評価でいいはずがない。「裁量労働制がもっと産業界に定着すれば、がんばっている人は報われます。誰もが堂々と週末を堪能できる世の中になってほしいですね」。“週末自由人”の渡辺さんならではのごもっともなご意見に自由でない(?)記者の私も大賛成。

もうひとこと:2014年11月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
岩田松雄さんは、「日本の学校教育に足りないものは、権力を自分のためじゃなく、世の中のために使いなさいという教育です」と指摘。他人を幸せにしてこそ、リーダーの価値も高まるとも。地位は自分で勝ち取るものと考えるか、人から与えられるものと考えるかの分かれ目がここにある。権力は持つべき人が持ってこそ平和な世の中になるのだと痛感。

もうひとこと:2014年11月号「老舗のDNA」取材後記
「一緒に米作りを始めませんか」との橋場友一社長の呼びかけに応じて、田植えに、稲刈りにと人が集まってくるのが泉橋酒造。「人が集まるところに旨い酒あり」なのか「旨い酒あるところに人が集まる」のかは解釈次第だが、まちがいないのは、6代目は誰よりも人を大切にする人であること。笑うと人の良さそうな“えなりかずき”に見えるのは私だけ?

もうひとこと:2014年10月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
「どんどん恥をかくのも仕事のうち」と社員に語る富士製薬工業の今井博文社長。それは、自分より目上の人に近づきたいのなら、必死になって勉強することを指す。「そんなこともわかってないのか」って言われて恥をかいても、必死に勉強してまたチャレンジすれば、そのたびに信頼度は増すことを確信しているからだ。「この前、いつもありがとうと言ってもらえました」。そう報告する社員の成長が何よりも嬉しい様子の今井社長である。

もうひとこと:2014年9月号「老舗のDNA」取材後記
日本人ほど自国の文化に詳しくない国民はないと言われるようだが、若い頃の久保順平さんもかつてはその一人。「海外勤務を経験したことで、江戸時代から続く酒蔵の息子であることの責任を感じた」とポツリ。古来より伊勢神宮へと続く街道脇に静かに佇む久保本家酒造の趣のある建物は創業時のまま。毎年6月にはホタルが飛び交うまほろばの里に暮らす蔵人たちの日常は“あたり前”でも、訪れる人々の郷愁を誘うすばらしき“非日常”でもあった。

もうひとこと:2014年8月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
南沢社長が提唱する働き方が「傍楽(はたらく)」。傍を楽にする生き方を継続することは簡単ではないが、だからこそ挑戦するところに職場の未来がある。南沢社長自身も「結局は働く仲間たちも、お客様も、何故あきゅらいずと付き合っているのかが分からなくなってはおしまい」と強調。たしかに、自分が何のために仕事をしているのかが分からなくなっては楽しくないと思う。傍目がどうあれ、自分の立ち位置だけは見失いたくないものである。

もうひとこと:2014年7月号「老舗のDNA」取材後記
高度成長期に少年期を迎えていた柏原孫左衛門社長は、大きな空が見えていた頃の日本橋の光景を知らない。一体誰が日本の芸術品のような橋の上に高速道路を架けるプランを提案したのかは知らないが、つくづくセンスのないやつである。進化を続ける古くて新しいこの街に、本当の空が戻ってくる日は来るか!? 同い年の十二代目と記者は、まだ見たことのない日本橋の大空を待望している。

もうひとこと:2014年6月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
ひと頃は「グローバル人材を採用したい」というのが企業のオープンな声だった。しかし、「インタビューなどをしていると、アウェイの環境下での突破力を求める声が多い」と岡崎仁美さん。世界を相手にする以上はすべてがアウェイ。サッカーW杯が開催される今、突破力が求められているのはフィールド上だけのことではない。

もうひとこと:2014年5月号「老舗のDNA」取材後記
西川産業の西川康之社長は46歳の働き盛りだが、創業400年を超える老舗企業では、ときに若さゆえの苦労も。「若いからゆえに意見を言うだけでは理解されないことも少なくない」と若手社員も同情する。しかし、アイデアマンの康之社長は黙っていない。『昔の方もこう言っているではないですか』と熱弁。「どんな時代も良い商品の芽を埋もれさせてはならないという信念は揺るがない」と、周囲からの信頼を集めているトップリーダーだ。

もうひとこと:2014年4月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
「今こそ学生が真剣になるシステムを世の中に作るべき」と持論を展開する辻太一朗さん。「体力測定の反復横跳びは30秒間一生懸命にやるから体力が測れるのに、イマドキの学生は『反復横跳びは僕、やりませんが、どうしてもというのなら2回にしといて』って採用担当者に言っているようなもの」と苦笑い。50年後には人口の4割が高齢者になる日本。すでに「待ったなし!」の状況がひしひしと迫ってきている。

もうひとこと:2014年3月号「老舗のDNA」取材後記
およそ30年前、NHKが番組の中で弁当のルーツを探ったところ、行き着いたところが日本橋弁松総本店だった。「結局、誰が最初の弁当を販売したかなんて分からなかったようですが、どうやら“弁松らしい”というところまでは絞り込めたようです」(日本橋弁松総本店8代目・樋口純一氏談)。江戸の昔の真相は“甘濃ゆい味”だけが知っている!?

もうひとこと:2014年2月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
Kaienの鈴木慶太さんたちが始めたビジネスは、いわゆる「障がい者支援」ではない。鈴木さんは、「要は目の前の人にいかに喜んでもらえるか、どれだけの価値を提供できるかに面白味を感じているから」と強調。従って就業支援であってもその本質はサービス業。「当たり前のことを当たり前に黙々と」。派手さはなくても、鈴木さんの言葉からKaienの謙虚なビジネス姿勢が見えてくる。

もうひとこと:2014年1月号「老舗のDNA」取材後記
自ら『21世紀型のマネジメント』と命名して透明性のある会社づくりを進める船橋屋の渡辺雅司社長。創業から200年を超える老舗であっても、ご本人はまったく「当主の座」に胡坐をかくつもりはない。あるのは「攻め」のみだ。「自分が表に出てやったこと(マネジメント)が、どんどん形になって会社の未来をつくる。私自身も面白ければ、働くみんなも面白い。これがすべてです」と笑う。変化球は一切なしの直球勝負が心地よい。

もうひとこと:2013年12月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏の快挙について、百瀬社長が一言。「何で成功したかといえば、本人に何が何でも俺はやり抜くといった強い意志があったからでしょう。会社経営も同じ。トップがやる気を持って取り組めば、必ず結果が出ると私は過去の経営のなかから答えを導き出しました。しんどいけど、面白いところですね」

もうひとこと:2013年11月号「老舗のDNA」取材後記
海外からリスペクトされる日本の伝統文化の中でも、再ブレイクの兆しがあるのが日本酒とか。山口酒造場の蔵元・山口哲生氏は「日本酒はまだまだやることがたくさんある。そういう意味ではまだ始まったばかり。おもしろい仕事ですね」と、その奥深さを語る。古き良き日本酒であっても、「始まったばかり」という謙虚なものづくりの姿勢に未来があると見た。

もうひとこと:2013年10月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
菊池桃子さんが多忙な人とは十分承知のうえ、キャリアの話をぜひ聴きたいと「ロングインタビュー」にリクエスト。しかし、連絡はなかなかこない。菊池さんのヒット曲『もう逢えないかもしれない』が頭をよぎる(ちょっとシャレてみました)。そして約2ヵ月後、「OK」の返事をいただく。読者の期待を感じつつ、ピシッと一本筋の通った凛々しい菊池さんにインタビューできて、感謝!

もうひとこと:2013年9月号「老舗のDNA」取材後記
全国各地にいわゆる「伝統野菜」があるが、京都と言えばやはり、九条ねぎ、賀茂なす、鹿ケ谷かぼちゃなどの“京野菜”。種の保存に心血を注ぐ農家と共にタキイ種苗の存在感も光るが、その一方で、子々孫々のために日夜、品種改良に取り組むのもまた同社の姿。古き良き伝統を守ることだけが老舗の姿ではないことを教えてくれる社会に無くてはならない企業がここにもあった。

もうひとこと:2013年8月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
小松俊明さんがアジア諸国に行くと、現地の人たちは日本人を次のように評価するそうだ。「しょせん日本でしか働けないんでしょ」と。子供の進学先を何も考えずにそのまま国内にするか、それとも海外にするか――。教育のグローバル化も待ったなしで家庭に迫っていると言ったら大げさだろうか。人生いろいろあるけれど、「気がつけば自分がガラパゴス」だけは避けたいと思う。

もうひとこと:2013年7月号「老舗のDNA」取材後記
入社後のミスマッチがないよう、面接の前には必ず学生を連れて売場見学をさせているのがエトワール海渡。同社社員の顧客との丁寧な応対ぶりに、新人たちは「何か秘訣があるのですか?」と質問。「特別に意識はしていません」と誰もが口を揃えるが、これもまた伝統に裏打ちされた商人道の基本姿勢か。人の振る舞いはときとしてマニュアルを超える?

もうひとこと:2013年6月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
「社員は社長のほうは向かず、お客さんの満足だけを考えて仕事をしていればいい」と言い切る日本レーザーの近藤宜之社長。だからこそ「経営の透明性は大事」と強調する。従って、同社ではみんなの給料も常に丸裸状態。決して“裸の付き合い”ではないが、堂々と見せ合うことで余計な諍いはなくなる。こんなあけっぴろげな企業がどんどん出てくれば、世の中はもっと平和になるのかもしれない。

もうひとこと:2013年5月号「老舗のDNA」取材後記
「商売は守りに入ってしまったら辛くなるだけ」とは、京都の老舗菓子司・亀屋良長の吉村専務の言葉。暖簾を守ることだけに執着すればするほど、周囲が見えなくなるという。「文化の発信というのも老舗の大事な使命ですが、それよりも社員の幸せ、お客さんの幸せを考えるようになった。これも大手術を無事に乗り越えたおかげかもしれません」。代々培われた伝統と虚心坦懐に向き合えたとき、次の一手が見えてくる!?

もうひとこと:2013年4月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
台東デザイナーズビレッジ「村長」の鈴木淳さんのもう一つの肩書きは「インキュベーションマネージャー」。インキュベーションには「孵化器」の意味があり、鈴木さんも「クリエイターの卵を無事に孵化させ、ヒヨコにして世の中に送り出すまでが私たちの仕事」と説明。「だからこそ顔を見せに帰ってきてくれたときは嬉しくて」と目を細めた。

もうひとこと:2013年3月号「老舗のDNA」取材後記
大七酒造の十代目当主・太田英晴社長は東大法学部出身。聞けば子供の頃からの本好きで、「ちょっとだけ政治学者になるのも夢でした」と回顧。それでも造り酒屋を継いだのは「使命だから」ときっぱり。家訓である『起きて造って寝て売れ』は厳しい戒めでもあるが、あえてそこに挑戦する真摯なジェントルマンでありました。

もうひとこと:2013年2月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
殿村政明さんにインタビュー中、何度か「ここ笑うとこですよ」とツッコまれた。困った。面白いのだけれど、自分は「わっはっは」とは笑わず、どちらかというと「ふっふっふ」と笑うタイプだからだ。どうでもいいような話だけれど、殿村さんからしたら私は典型的なコミュニケーション下手になる。ワラトレ始めようかなっと…。

もうひとこと:2013年1月号「老舗のDNA」取材後記
ドイツ留学の経験を持つまるや八丁味噌の浅井信太郎社長。質素倹約に努めるドイツ国民の生活ぶりに感銘を受け「もったいない精神」は今も健在。出張の際も一駅〜二駅程度はよく歩くと笑う。「ケチと言われるのは心外ですが、倹約家と言われるのは逆に気分がいい。だって質素倹約には哲学がありますから」。浅井社長の哲学は味噌蔵をはじめとする会社の建物にも反映され、修繕を重ねて今も現役の味噌蔵は岡崎観光に欠かせない人気スポットになっている。

もうひとこと:2012年12月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
学生時代はバンドにも夢中だったという斉藤実さん。憧れたアーチストの一人が今も現役で活躍するギタリスト『カルロス・サンタナ』。数あるヒット曲の中でもイチ押しはやはり『哀愁のヨーロッパ』だそうだ。「機会があればもう一度、バンドやりたいですねぇ」。インタビュー中に流れる素敵なBGMも斉藤さんの大好きなインストゥルメンタル。「いつも心に音楽を」も斉藤さんのこだわりの一つです。

もうひとこと:2012年11月号「老舗のDNA」取材後記
日本酒の質の良さを判断する基準の一つが透明度。石川酒造の石川社長も「造り酒屋の多くは“濁る”ことを嫌って商品名に濁点を付けない慣わしもある」と教えてくれた。従って、同社の新製品『たまの八重桜』は“やえざくら”ではなく“やえさくら”と読みにこだわって新発売。「他にもあるかな」と思い浮かべながら今宵も一献、時間旅行へ出発!

もうひとこと:2012年10月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
ロンドンオリンピックでの日本の活躍のキーワードが「チーム力」なら、「ライフネット生命の躍進を支えているのもまたチーム力」と語るライフネット生命の岩瀬氏。「なんだかんだ言っても会社がすごいんじゃなくて、働く一人ひとりがすごい。そんなふうに人が評価される会社をめざしていきます」。確固として、揺るぎなく、そして、堂々と突き進む次代のリーダーが好きな言葉は「誇り」だそうだ。

もうひとこと:2012年9月号「老舗のDNA」取材後記
日本橋鮒佐の佃煮のタレは65年もの。四代目・宮内隆平社長は「うちのタレは、最初はどことなくとがっていたけど、40年を超えたあたりから旨味が増した。まるで人間みたいだねぇ」としみじみ。ちなみに四代目のお薦めはこのタレをたっぷり使った牛蒡の佃煮で、「筋があるから旨いんだよ。これも人間と同じ」。佃煮一つで人を語れる四代目がおもしろい!

もうひとこと:2012年8月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
「背番号があるというのは現役でいる証拠。ただその引き際が難しい」と、マイスター60の平野茂夫さんはしみじみと語る。誰にでも訪れる“その日”はいつか…。その幕引きを自分でするところに真の大人の格好良さがあるのではないかと記者は思う。「でもできるかな、はたして自分に…」。昔、プロ野球の阪急ブレーブスに「塀際の魔術師」と称賛された外野手がいたが、自分は称賛されなくてもいいから「引き際の魔術師」をめざしたい。

もうひとこと:2012年7月号「老舗のDNA」取材後記
「鳩に豆鉄砲」という言葉があるが、京都『豆政』のシンボルマークも実は「鳩に豆」。5代目社長・角田潤哉氏は、「京都の小さな豆菓子屋なのにって思われるかもしれませんが、目標は世界一。世界中から京都を訪れる異国の旅人を豆のおいしさで驚かせたいですね」と意気込む。『鳩だけに ハット驚く 豆鉄砲』(関本作)。

もうひとこと:2012年6月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
子育ての相談もよく受けているという『ほめ達!』の西村貴好さんは、「子供っていうのは、外見は親の縮小コピーですが、内面は親の拡大コピーなんです」と指摘。母親がついつい子供を叱ってしまうのは、「自分の嫌な部分を子供の中に拡大して見てしまうから」というのがその理由だとか。子供にしてみれば迷惑な話だが、これ、職場でもありません? ついつい部下を叱ってしまうのは、そこに自分の嫌な部分が見えるから…。笑えない人は、まずほめてみましょう。

もうひとこと:2012年5月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
起業のきっかけとして上位にランキングする理由の一つが、「自分が入社したいと思える会社を作る」という発想だ。ベーシックの秋山勝社長も起業の決め手はそこにあった。「もう一言付け加えると、『いかに楽しめるか』も大事にしています」。社員の平均年齢は30歳。秋山社長は40歳。「解決すべき課題もいくつか出てきていますが、だからといって失敗を恐れてしまっては何もできません。皆とやるだけです。それも思いっきり楽しくですね(笑)」。秋山社長は今日も笑顔で突っ走る!

もうひとこと:2012年5月号「老舗のDNA」取材後記
七味家本舗の福嶌良典副社長は言う。「私も修行中の身とはいえども、やはり社訓は大切にしています。しかし…」と。働き盛りの副社長が言う「しかし…」には、後継者として覚悟を決めたその理由が凝縮されていた。「究極は、自分自身が成長するために仕事がしたいですね。そうすれば自ずと結果はついてくる。そう思うんです」。足し算でも、引き算でもない家業発展の方程式が、15代目候補の頭の中には明確に描かれている様子だ。

もうひとこと:2012年4月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
「日本企業の多くは時間当たりの生産性に甘い」と指摘するのがネットイヤーグループの石黒不二代社長だ。「ひとことで言えば成果主義が徹底してないからなんでしょうが、『長く仕事をする人=仕事ができる人』みたいな職場がいまだにあって、働くお母さんたちだけじゃなくイクメンたちも気の毒だなって思いますね。優秀な人が多いだけに実にもったいない話ですよね」。アメリカと日本の文化の違いだと思えばそれまでだが、単なる「働き者」と「仕事のできる人」を明確に区分けするだけの判断基準が次代のリーダーには必須のようである。

もうひとこと:2012年3月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
即戦力を求める際、一つの判断基準になるのが「社会人経験」だろう。近頃は、新卒学生のバイト経験もそれに含まれるが、「それよりも何といっても主婦の力はすごい」と太鼓判を押すのがビー・スタイルの三原邦彦社長だ。「金額的にいうと、例えば、パートとかアルバイトをするのは学生と主婦が中心なんですけど、時給的にはそんなに変わらないですよね。でも社会人経験が豊富なのはどちらですかっていった場合に、圧倒的に優位に立つのは当然ながら主婦の彼女たちで、やっぱりオフィスワークにおける事務職であったりとか、販売職だとかいうところについては社会人経験がないとなかなかできなかったりもしますので、彼女たちの活躍の場があるんじゃないかというのが発想の原点なのです」。主婦たちの多彩な社会人経験は、労働生産性の低下が叫ばれて久しいわが国を救済する奥の手になるのかもしれない。

もうひとこと:2012年3月号「老舗のDNA」取材後記
祖父から伝わる“田口家直伝”の墨汁を通して、書道文化の普及に務めている開明三代目の田中葉子社長。自らも筆を持ち、さらさらと書をしたためる時間を大切にしている。「以前、当社の若い営業社員の手元にあった発送前のDМを見て感心したことがあるんです。DМはもちろん印刷物なんですが、わざわざ自分の名前だけは墨汁を使って筆で書いているんです。そんなに上手な字ではありませんでしたが(笑)、『この人は偉い』と素直に感心してしまいました。当たり前といえばそうなのですが、忙しい日々の中でふと立ち止まって原点を見つめるといいますか、そんなことを彼から教えてもらったような嬉しい出来事でした」。映画の中の刑事のセリフではないが「迷ったら原点に返れ」はビジネスにも通じるようで、この原点回帰の姿勢も老舗のDNAなのかもしれないと感じた。

もうひとこと:2012年2月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
バリューコマース・飯塚洋一社長の『もう一言』〜「ここにいてよかった」と思える会社に〜
『少なくても皆さん、人生のある時期をバリューコマースで過ごされるわけですから、30年いる人も、何らかの事情で数年で辞めちゃう人もいるかもしれないけれど、やっぱり「バリューコマースにいてよかったな」と、そんなふうに振り返ってもらえる会社でありたいと思っています。どんな改革も結局はそれに尽きるんじゃないでしょうか』

もうひとこと:2012年2月号「ロングインタビュー」取材後記
経営コンサルタント・小宮一慶さんの『もう一言』〜良い仕事をすることが一番の社会貢献〜
『よく「社会に貢献できる仕事をしましょう」と言いますが、私は良い仕事をするのが一番の社会貢献だと思っています。だから私の話を聞きに来てくれるお客さんが良い仕事をして、その結果たくさん儲けてくれることが私にとっての社会貢献です。つまり「儲かるぐらいいい仕事をしましょう」っていうのがこちらの趣旨なんですね』

もうひとこと:2012年1月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
アップガレージ・石田誠社長の『もう一言』〜若い社員が多い会社だからこその取り組み〜
『若さは一つのキーワードですね。ただまぁ、楽しく仕事をやればそれでいいというわけではなくて、当然に規律も必要ですし、守らなきゃいけないルールも当然に必要になってくるので、「厳しさの中にある楽しさ」ということで取り組んでいます。また、上場企業ですから収益の向上やコンプライアンスへの取り組みも大切です。しかし、そうはいってもがんじがらめの膠着した組織とか、そういうガチガチの雰囲気というものだけは作りたくありませんでした。それが現在のアップガレージなんです』

もうひとこと:2012年1月号「老舗のDNA」取材後記
福寿園・福井正憲社長の『もう一言』〜蓄積の元〜
『私の考え方の基本にあるのは「作り手の論理」なんです。ものづくりはもちろん消費者の意見を聴くのもいいですが、消費者のいいなりになってしまってはマイナスです。社会にものづくりを通じて貢献するというのは、何もお客さんの好みのものばかり作るんじゃなくて、「こうあるべきなんです」という姿勢で作ることだって大切です。もっと言いますと、あくまでも自分のために作った満足のいく良い品物を、余分に作ったからお分けしましょうという発想です。その辺が私の言う「蓄積」の元なんです』

もうひとこと:2011年12月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
アイル・岩本哲夫社長の『もう一言』〜メッセージメールで社員と会話〜
『面白いもので、日頃大人しい社員ほど、文字で書くといろいろ鋭い意見を言ってくるので、メッセージメールをやってみて良かったなと思いますね。私も、面と向かっては言いにくい「すごいな!」とか「頼りにしています」とか、そんな言葉をたくさんメールに書いて、社員たちと会話をしているんですよ』

もうひとこと:2011年12月号「ロングインタビュー」取材後記
東海大学駅伝監督・両角速さんの『もう一言』〜自らも人間力の向上をめざして〜
『1位になることだけが目標ではありません。それより、学生たちの琴線に触れる指導ができるかどうかで、お互いに成長していけたらと思っているんです。なので、10年ぐらい先で「あの人に教わって良かった」って振り返ってもらえるよう、自分自身も人間力の向上に努めていかないといけないんです』

もうひとこと:2011年11月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
オフィストレイン・後藤美香社長の『もう一言』〜男性社員の身だしなみチェック〜
『主にパチンコ業界での話なんですが、特に男の従業員の方っていうのはおしゃれに全く気を使わないといいますか、特にオジサンたちは放っておくともう大変です(笑)。やっぱりそこは接客業ですから、身だしなみもおしゃれも気を使うことが大事で、髪型もきちんとしていたほうがいいわけです。けっこうそういうところのアドバイスは意外らしく、私が注意してあげて逆に喜ばれることが多いんです。そういう意味でもちょっと風変わりな業界ではあると思いますね』

もうひとこと:2011年11月号「老舗のDNA」取材後記
ロート製薬・広報、矢野さんの「もう一言」〜海外からも参加する大運動会〜
『ロート製薬の運動会は毎年、大阪本社の広大な芝生の上で開催しますが、実は全国の従業員はもちろん、海外で働く人たちも運動会に参加するために日本に帰ってくるのです。そこまでやるかって思うかもしれませんが、だからこそ楽しいんです(笑)。従業員の家族も一緒になって爽やかな汗を流す光景はなかなかなもので、手前味噌で恐縮ですけど、とことん面白い会社で働くことができて幸せですね』

もうひとこと:2011年10月号「ロングインタビュー」取材後記
温井和佳奈さんの『もう一言』
『会社を経営するというのは辛いことのほうが多いんですけど、人生の深みといったことからすると、やはり自分で会社を作って汗を流してみる経験は貴重だと思います。それをカンボジアの女性たちにも経験してもらえたら嬉しいですし、とりわけ「人生変わって良かったな」と思ってもらえたら、それはそれで素晴らしいことなんじゃないかなと思います』

もうひとこと:2011年10月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
水口翼社長の『もう一言』
『やっぱり人が増えれば増えるほどコミュニケーションが希薄化していく感じはありますね。だからといってマニュアルを作ってがんじがらめにするつもりはありません。飲みに行くのもいいですけれど、そのあたりが今後の課題の一つなんでしょうね』

もうひとこと:2011年9月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
正田勝啓社長の『もう一言』〜ものづくりへのこだわり〜
『当社の経営の基本は「正田塾」にあります。だからこそ「正田塾なくして社員なし」なんです。ですから、ものづくり精神を土俵の外に置いて相撲をするなんてことはありえません。私はものづくりを通して苦労した人の言葉こそ信じられる言葉だと思っているんです』

もうひとこと:2011年9月号「老舗のDNA」取材後記
安田容造社長の『もう一言』〜商品は信用〜
『社員に口うるさく言うのは、一に礼儀作法ですね。それともう一つ、利益最優先のがつがつした商売でなく、本当に汗水たらして良い物を作り、そうして出来た念珠を礼儀正しくお客様に薦めていくと。こういった地道な商売をすることによって構築された信頼、信用といったものは、どんな時代になってもやっぱり大きな支えになるものだと思っています』

もうひとこと:2011年8月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
フィアロコーポレーション・岩ア晃彦社長の『もう一言』〜多能工化への取り組み〜
『先が読めない今、フレキシブルな多能工をどれだけ育成できるかがこの先を決めるポイントになるでしょうね。なので“人”が大事です。だからこそ手間がかかります。それでもやっていかなきゃいけない。3代目として、この先何をすればいいのかが明確になってきた分、ものすごく仕事が面白くなってきました。「さぁこれから!」ですね(笑)』

もうひとこと:2011年8月号「Theロングインタビュー」取材後記
池田弘氏の『もう一言』〜経済とは本来、民を救うためのもの〜
『東日本大震災後の政府の対応や、原発事故の責任問題を含めて、今の政府は本当に何をやっているのかと思っています。経済政策もそうです。借金ばかりで人々が太刀打ちできなくなっているのにどうして増税なのか理解できません。経済というのは本来、民を救うためのものであって、一人ないしは少数の者たちが富むためであってはならないはずです。多くの人を救うために経済があるべきで、どんどん救いづらい方向に行ってしまっては残念ですね』

もうひとこと:2011年7月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
アイスタイル・吉松徹郎社長の『もう一言』〜今どきの若者論〜
『面接で学生と話をしていると、就職するっていう概念がすごく希薄になってきているように感じることがあります。しかもそれは私たちの世代が就活時に感じていた起業に対する情熱とも違っていて、「こういうサービスを作りたい」といったビジネスモデルをどんどん提案しているだけの未成熟な就業観のようなものなのかもしれません。要は、あまり“会社という箱”が先にないような意識で、「あっ、それ、会社にしないといけないんでしたっけ」みたいなところが、逆に面白いと思っています』

もうひとこと:2011年7月号「老舗のDNA」取材後記
川木建設・鈴木健二社長の『もう一言』〜企業は人なり!〜
『若いときには「企業は人なり」なんて言ってましたけど、だんだん本質が分かってくると、まさに「なんで人間力なのか」、「なんで人なのか」っていうふうに深く考えていくんですね。すると結局、全部生みだすのは人じゃないですか。やはり良い仕事をするには良い人材。良い人がやっぱりお客さんにも喜んでもらう原動力だと。だから社内の人は大切にしたいです。なんて、昔はこんなんじゃなかったんですけど、根幹は「自分が成長する」ってことに尽きると思います(笑)』

もうひとこと:2011年6月号「Theロングインタビュー」取材後記
西村卓二さんの『もう一言』〜リーダーはサブリーダーを持て〜
『年がら年中叱ってても逆効果ですから、やはりお父さん役とお母さん役みたいなのがいて、例えば、監督とコーチの2人でやっている場合は、監督が叱ればコーチはなだめると。コーチが叱れば監督はなだめるとかね。それが大事です。職場でもそうじゃないですかね。リーダーの横にはサブ的な役割をする人がいて、それぞれ役目がきちんとあるところに部下はついてくるんだろうなって思います』

もうひとこと:2011年6月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
北嶋實さんの『もう一言』〜やっぱり職人は体で覚える〜
『我々は現場で自分の体で覚えなきゃいけない仕事なんですね。数字とか言葉ではなかなか伝えることができないんです。難しいですけど、結局はこのやり方しかないですね。そういうことなんで、特に勉強的なことでの教育ではなく、実際に自分が現場で学びながら、自分の体で覚えていくと。そういうような繰り返しで今までも、これからもずっと生きていくんですよ』

もうひとこと:2011年5月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
ECナビ・宇佐美進典社長の『もう一言』〜業績評価と個人評価について〜
『例えば、事業責任者であったり、子会社の社長であったりということだと3つの視点があります。1つは、事業が成長してるかどうかで、粗利の部分ですね。これが成長しているかどうかっていう部分をまず見ます。2つ目は、組織がうまく回っているかどうかです。活性化しているかどうかであったり、組織面がうまく機能しているかどうかはやっぱりポイントになります。3つ目は、個人が成長できているかどうかです。この3つのバランスが大事で、どんなに景気が良くても組織がボロボロで、みんな不平不満を言って人がどんどん辞めていくとか、誰も成長してないっていう状況だとすると、それは評価としては良くないわけです。結局、そこのバランスがうまく取れてないと続かないので。なのでバランスを大事にしています。一方で、人とか組織ばっかり見ていても、やっぱり事業がうまくいかないっていう場合も考えられるので、とりわけ新規事業の立ち上げとかであれば、これはこうある意味で当社の仮説が間違っていたりとか、本人の努力以外の部分もどうしても関わってくるので、その部分をマイナスにつなげないように見ていくことは重要ではないですかね。いつまでも一つのことにこだわらず、それなりにリセットされて、じゃあ違う事業をもう一度ゼロから立ち上げてうまくいった場合もありますし。あとはまぁ、一般のスタッフとかですと、われわれの最低限の価値観に沿った行動ができているかを見て評価しますね。そのうえで能力とパフォーマンスの部分で評価をしていくっていう形になります』

もうひとこと:2011年4月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
ジュンコーポレイション・小板橋義和社長の『もう一言』〜地元の製造業発展のために若い自分たちができること〜
『頑張っている群馬県の製造業に活力を与えることができないかと自分なりに考えて社外にも活動の場を広げています。でも思うんです。私らより年上の人というのか、特に団塊の世代の人たちの考えというのは僕には合わないなって。協力会っていっても結局は飲んだりゴルフをしたり温泉に行ったりすることが中心で、「協力って何?」って思うこともしばしばあります。なんだか時間がもったいないような気がしてなりません。そんななか、本当に共存共栄で行こうということを私なりに訴え続けて10年が経ちました。ただ私が訴えても若輩者ですから誰も聞いてくれません。だからとにかく言い続けることにし、同時にここら辺のリーダーになる人を見つけなくちゃということで何人か社長さんとお会いして、ようやく「後継者塾」みたいな“子会”の組織を作ることができました。子会は刺激的ですよ。とにかく自分たちが動かなければ何も変わらないってことで、2代目の若手経営者たちが中心になってワイワイやってます。ようやく最近、“子会”のメンバーも“親会”に入り始めてどんどん活性化しているというのが現状です。時間はかかりますが、やっぱり楽しいですね』

もうひとこと:2011年4月号「Theロングインタビュー」取材後記
ルーク19・渡辺明日香さんの『もう一言』〜消費のカギは女性が握る〜
『消費のカギを握っているのは90%女性ですよ。家を買うのもクルマ買うのも最後は全部女性が決めています。だから当社の会員の98%は女性なんですけど、だからといって男性は関係ないなんて思わないでくださいね。実は女性の手から男性の手に渡して使ってもらうっていう販売方法もあって、例えば「育毛剤」。奥さんから「これ良いわよ。使ってみなさいよ」って言われると、まあほとんどの男性は「そうか」って使いますよね。別に女性の言いなりとは言わないけど(笑)。「これ、家内が薦めてくれたんだ」とか、「娘から薦められたから」ってことでニコニコしながらその商品を使えば価値観もさらに上がるってことです。だからこそそういうプロモーション方法もありってことをメーカーさんは意識するべきで、けっこう女性がいるからこそ売れるっていう男性商品も出てきているんですよ』。

もうひとこと:2011年3月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
株式会社マネジメントサポート・古谷治子社長の「もう一言」〜女性の戦力化について〜
女性は男性に比べて「細かい」ですとか、「感性」ですとか、もっと言うと「うるさい」というか「見極めの目」が優れていると思っています。具体的には「サービス」面においての女性の活躍が顕著で、とりわけお客様との接点においての見極めの目は男性のそれよりも勝っているのではないでしょうか。ですからそういったところの善し悪しを判断する、また問題があったとしたら「こういう風にするといいですよ」と、とにかく言い続けるのは女性のほうが上手です(笑)。1回でポーンじゃなくて、長くずっと指導育成をしていくっていうやり方は女性のほうがとても慣れているような気がします。そういったことを踏まえていうと、女性でも男性でもその活用のポイントとなるのは、やっぱり業種に応じたバランスが必要だなってことですね。ご参考になったら幸いです(笑)。

もうひとこと:2011年2月号「ザ・ロングインタビュー」取材後記
株式会社ウイル・奥山 睦社長の「もう一言」〜自立・自律〜
「これからの人材像ということになると、やっぱり国際的にものを見る目を持った人でなければいけないし、これはもう必須のスキルですよね。あとはやっぱり、時代を巧みにキャッチアップしていける人間でしょうね。知識社会の変化などを自在にを受け入れて、生産性を高めて、そして自身の価値を高めていくっていうことです。だからこそ常に勉強していく人材じゃないと厳しいと思いますね。研鑽して自己力を高めていって、その自覚とビジョンがいつでも描ける人。そういうのがやっぱり望ましい人材なのかなのかなと思います。難しいですけれどもね。自立と自律ですかね。
 自立という面でいうと、羽田空港の国際化なんてまさに大田区の企業が真に自立するチャンスだと思います。この先、いったいどんな時代になるんだろうってワクワクします。それを見届けなきゃっていう気持ちをエネルギーにして、今しばらくは自分の研究に力を注いでいくつもりです。自分を磨かなかったら真の意味での自立も自律もありませんからね」

もうひとこと:2011年2月号「人材活用 社長手腕」取材後記
株式会社ハー・ストーリィ・日野佳恵子社長の「もう一言」〜女性の方が堅実〜
「大企業の社長や経営幹部って男性がやっぱり多いですよね。女性経営者で大きな会社ってまだまだ少ないと思います。だからとって私は女性の社会進出がどうのこうのというのではなく、女性なら女性特有の視点で企業と消費者の橋渡し役になれればなと思ってやってます。20年も会社経営していて思うのは、女性は男性と違ってハッタリはなしですから、もしものときのリスク管理は女性のほうができているんじゃないかということです。堅実なんでしょうね。女性は遠くを見るより地面を固めながら、地に足がついた生き方をしたがるものなんです。反対に男性は空に向かっていくロケットタイプですよね。そういうのってあると思いますね」

もうひとこと:2011年1月号「人材活用 社長手腕」取材後記
株式会社大槇精機・大町亮介社長の「もう一言」〜社長としての喜び〜
「社長になって5年目を迎えようとしていますが、社長と認めてもらうまでになんだかんだでやっぱり2年近くはかかりました。古くから働いている職人さんたちも、『亮介がそういうんだったらしょうがねえな』みたいな感じでね。みんながひとつになれたかなって実感できたのはやっぱりここ2年ぐらいたってからですかね。
僕はできるだけ現場に顔を出すようにしているんですけど、僕が行くととりあえずは『社長が来た』ってなるわけじゃないですか。最初はこっちもぎくしゃくしていましたけど、最近嬉しかったのは、『社長にもっと現場に来てもらいたい』という声をもらったことなんです。『なんだか社長が来ると元気になるから』って。そんな風に言ってもらえるって幸せですよね。若い社員と僕の年齢は近いんですけど、僕もバタバタしているんでなかなかじっくり話をすることはできませんが、やっぱり時間を作らなくちゃだめですね(笑)。
 そんなこともあって、ボーナス支給の数日前から、社員一人ひとりとじっくり話をするようにしているんです。何時間かかるか何日かかるかはっきり決めていませんが、本音が聞けるまでやるっていうのが基本で、特に若手なんか社長とじっくり話せるってことで逆に楽しみにしてくれています。本当に嬉しい。だから僕もやりがいを持って堂々と仕事ができる。だから社員の皆さんには本当に感謝しているんです」

もうひとこと:2010年12月号「人材活用 社長手腕」取材後記
株式会社イマジンプラス・笹川祐子社長の「もう一言」〜キャッシュフロー経営〜
「今の仕事を始める前、20代の後半に思いっきり働かせていただいた会社には本当に感謝しています。とりわけ資金繰りに関する実践的な勉強は、イマジンプラスの経営に大いに役立っていますからね。実はこれ社員たちによく話すんですけれども、要するに赤字でも会社は倒産しない、キャッシュさえあれば会社は倒産しないんだと。逆にいうと、どんなに損益上黒字でも、手元に現金がなかったら会社っていうのは倒産するんだってことですね。
 とはいっても、何が何でも社長になりたいという野望まではなかったんですけれども、ゆくゆくは経営に携わりたいと思ったので、働きながら簿記の勉強をしました。毎週土日は簿記学校に通ったんですよ。金曜日は夜中から朝方まで飲んでいるのに、土曜日の朝9時には簿記学校の机にちゃんと座っていましたからね(笑)。それで、簿記3級の資格をとって、いわゆる決算書とか財務諸表が読めるようになったんです。資格をとって数年後、以前の職場の社長と一緒に資金繰りをしたとき、やっぱり実践の場でキャッシュフロー経営がいかに大切かってことがよく分かりました。ただ、損益だけ、決算書だけ見てて、これは黒字だとか赤字とかいうんじゃなくて、毎月毎月お金の出入りを細かく見るようになって一皮むけたような気がします。だから会社の若い子たちに言ってるんです。『よく遊べ! よく学べ!』って(笑)」

もうひとこと:2010年11月号「老舗のDNA」取材後記
株式会社小堀・小堀進専務の「もう一言」〜商売の基本〜
「この間、テレビを見ていたら、ミュージシャンの小田和正さんが出ていました。小田さんは必ずコンサートの前日に現地に入り、その町を歩くんだそうです。町の人たち触れ合って、自分から先にその町を好きになる努力をするそうです。あれだけのヒットメーカーなのに、その謙虚な姿勢にびっくりしました。つまりは『お客さんのこと深く知る』という努力ですね。翌日のコンサートではお客さんと一体になって、感動を呼ぶということです。すごいですよね。
 小田さんほどじゃないですが、私たちの『感動ミーティング』もそんなふうに謙虚な姿勢になってやってみようということで始めたものです。これまでの反省から、商品知識だけ頭に詰め込んだ仏壇屋でなく、顧客知識の勉強にも真剣に取り組む仏壇屋になろうという試みです。でも、やり始めて分かったのは、一番喜んでいるのは小堀で働く私たちだってことです。この“気づき”は大きかったですね。結局、大切なことはすべてお客様に教えていただきながら伸びるということじゃないでしょうか。それが商売の基本だと思います」

もうひとこと:2010年10月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
西島株式会社・西島篤師社長の「もう一言」〜教育に力を入れた国は栄える〜
「日本の伝統とか歴史とか文化というのは固有のものです。これが国際化の中に厳然とあって、その日本的なものを追求していくというのが私が思う国際化です。みんなが英語を習うことが国際化じゃないですからね。国際化とは何か、グローバル化とは何かというと、一言でいえば「日本的なことを極めること」。それが国際化。じゃなきゃみんなアメリカになっちゃう。だからそれを守るために、変えなきゃいけないものと守らなきゃいけないものがある。不易流行ですね。日本には天然資源もレアメタルも何もありません。だからこそ「人」が財産であり資源です。もっと言うと人を宝として生かしていかなければ日本の未来はないのです。そのためにも日本がやる手段は2つしかありません。1つは教育。もう1つは科学と言ってもいいけれど「ものづくり」です。産業立国としてはじめて日本が成り立ち、存在感を示せるわけです。申し訳ないですが、介護、医療などの内需型で産業立国になるなんてありえません。お金をたらい回しにしているだけだからです。日本がこれからも産業立国としてやっていくためには、教育とものづくりがこれからの大きなポイントになります。そこに創造性と勤勉性、あるいは向学心などが付いてくる。当社ではそれを大事にしたと思っています。モチベーションも上がりますしね。従って社員教育も大事です。学校でいう義務教育も高等教育も保育園の学習だって大事ですし、家庭教育もそうです。教育は国の柱です。教育にどれだけ予算を付けても付けすぎることは一切ありません。教育に力を入れた国は絶対に栄える。これが私の結論です」

もうひとこと:2010年9月号「老舗のDNA取材後記
半兵衛麩・11代目当主・玉置半兵衛(玉置辰次)氏の「もう一言」
〜うちは“老舗”ではなく常に“新店”です〜

「半兵衛麩はご先祖さんたちの苦労やお客さんとのご縁で商売ができているんです。ちなみに宮内庁御用達の看板をいただいていますが、あえてそれをパンフレットに載せたり、ホームページでことさら強調したりすることはしていません。理由は簡単です。天皇陛下を看板にすることはしませんし、またそれをしたら甘えが出てしまうからです。良い商品を作るのは当たり前のことですが、そのうえで良い商売をしようと思ったら、まずは良い人間になれというのも私たちのマネジメントの一つです。これが商売の基本中の基本かもしれませんね。その積み重ねで今があるということですね。ただし、世の中はどんどん移り変わっているのですから、これでいいと満足してはいけません。常に進歩している世の中についていかなければなりません。老舗の暖簾にあぐらをかいていたら商人としては失格です。ということで、うちは“老舗”ではなく、いつも“新店”という心がまえで商売をしています。考えてみてください。老舗というのは「老いた店舗」と書きます。こんな失礼な呼び方があるかって、父親もよくいってました(笑)。だから歴史はあっても半兵衛麩は“新店”だと、私は思っています」

もうひとこと:2010年8月号「人材活用 社長の手腕」」取材後記
青木製作所・青木常務の「もう一言」〜3Sのビギナーですけどよろしく!
「うちは戦前からある古い会社なので、僕らも知らないような荷物があちこちにあるんです。ほんとだったら床に置いてある荷物を全部上に上げて、床面を全部ペンキ塗ってきれいにしていけばいいんですけど、従業員が10人弱じゃなかなかできない。でも絶対にやりますよ。多少時間がかかっても少しずつ改善に向けてやっていきます。今はちょっと景気が悪くて仕事がないということもあって時間はたっぷりありますからね。でも何が出てくるんですかね。なにしろ兄も僕も、一度も開けたことがないんですから。楽しみでもあり怖くもありですね(笑)。また、これも3Sの取り組みの一つなんですが、使い終わった道具は必ず元あった場所に戻すようにしたんです。ちゃんとしている会社からすれば当たり前でしょうけど、実はこれ、なかなかできなかったところなんです。職人って、自分で道具を抱え込む傾向があって、あまり他人に貸したがらないんですね。逆にいうと、10名の職人がいれば道具は10人分いるわけですから経費がかかってしょうがないんです。それを今回改めて、誰もが使いたいときに使えるようにきちんと整理し道具の種類もリストラしました。もちろん使い終わったらちゃんと戻すことも徹底して。そうすると面白いもので、モノを大切にするようになるんです。以前はスパナでもモンキーでもそこらへんに放っておいたのに。中途入社の人にしても使う道具が一目で分かるので教える手間も省けますしね。いいですよ3S(笑)」

もうひとこと:2010年7月号「人材活用 社長の手腕」」取材後記
タニサケ・松岡浩会長の「もう一言」〜教育の前提は社員を喜ばすことにあり!
「私はよく『社員の喜びと会社の利益は比例する』と言ってますが、要するに、社員というのは喜んで出社してきたらちゃんと知恵出して頑張ってくれます。だから会社は儲かるようになる。そこに人材育成の一番のポイントがあるんです。だったらトップは社員が喜ぶことをすればいい。私はずっとそれをやり続けてきたんです。じゃあ、真の喜びの出社は何かというと、それは『社員が会社に歴史を残したときに初めて真の喜びが発生してくる』ということですね。会社に歴史を残すということは存在感ということです。いま現場はこうだけどこうした方がいいということに関して提案したことが、それが形として残るとそれは会社に歴史を残したことになる。そうすると、私はこの会社にいてもいいんだという存在感につながる。もっと言うとそれは社員の自信につながるということです。もっともっと言うと、社員の自信は笑顔にもつながります。要は人生と一緒で、他の人を喜ばせた時に初めて自分の歓びがあるんじゃないかな。その辺だと思う。だから上に立つ人には徳がないといけないでしょうね。『徳は自己犠牲に比例する』と。徳を高めようと思ったら、自分の時間を社員の喜びのために使い切る。自分がどれだけ人様のために自分の時間やお金を使ったかどうか。社長だからって外車を乗り回し、いい洋服を着ているというのでは説得力がないような気がします(笑)」

もうひとこと:2010年6月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
吉寿屋・神吉武司会長の「もう一言」〜これが“わが社の法律”です!
「なんだかんだ言ってますが、私は別に難しいことは何もしてないんですよ。当たり前のことを全員でしているだけ。ボールペンにしてもそう。必要な分だけ机に入れていれば仕事はできるんです。従業員だけでなく、お客さんもうちの会社に来たら自分の傘に名札を付けて管理してもらってますが、それも当たり前。『当社の法律』なんです。法律だから、それを創業以来ずっと守り続けているということですね。逆に言ったら、法律を守れない人には辞めてもらいます。その人がどんなに成績が良くても辞めてもらいます。その人に合う会社は世の中になんぼでもありますからそっちへ行ったらいいんです。トイレ掃除でもみんな本当によくやっています。もちろん交代制でね。倉庫の掃除も毎日やるのが当たり前。ゴミ一つ落ちていないのが普通なんです。そんなふうに、あえて決まりを作ることは重要です。きついように思いますけど慣れたらどうってことはないです。毎日毎日、整理・整頓・掃除をしているからうちの会社の空気はきれいです。思いっきり吸っていってください(笑)。空気がきれいになると正常なものの考え方ができます。正常なものの考え方ができると正常な仕事ができます。正常な仕事ができると業績は上がってきます。これは本当のことで、私の信念ですね。それがあれば、適正な利潤が確保でき、適正な教育ができるようになるという話です。どうでっか? おもろいでしょ(笑)」

もうひとこと:2010年4月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
日本電鍍工業・伊藤麻美社長の「もう一言」〜従業員から見た社長のイメージについて
「最初のうちは不安だったらしいですね、やっぱり。今でも“甘いよ”って言われる時もありますから(笑)。というのは、あまり私は怒らないんです。年に2回ぐらいですかね、怒るとしたら。それもよっぽどの時。なんで怒らないかっていうと、怒って良い結果に結びつくんだったらいいですが、怒っても相手が理解してなければ、そのムダなエネルギーを使っただけになるのがつらいからですかね。だからまずは理解してもらえるように話すことが基本です。子供じゃないですから。小さい子なら声の迫力で納得させることはできますが。大人になったらやっぱり、理解したかしないかってことになるので。ルール作りに関してもそうですね。あまりがちがちには作りたくないんです。私がルールを決めるんじゃなくて、『私は最近こういうことがおかしいと思うけど皆さんはどうですか?』って話をすることから始めます。で、1ヵ月以内にある程度ルール化するのかしないのかを皆さんで決めてほしいと。けっこうそれでうまくいってるんです。もっと怒らなきゃダメですかね?(笑)」

もうひとこと:2010年4月号「人材活用 社長の手腕」取材後記
樹研工業・松浦元男社長の「もう一言」
「うちの会社のベテラン連中は自分の仕事に自信を持っているから、若い者にビシビシ言ってくれますが、日本の国で今一番足らないそれでしょ。例の朝青龍のことだって日本相撲協会の指導者連中がだらしなさすぎますよ。あんなもの僕に言わせれば即刻解雇ですよ。何を遠慮しているんですかって。過去の功績なんか関係ありません。彼を解雇することによって相撲界がマイナスになるなんてことはどうでもいい。ダメなものはダメ。今回のバンクーバーオリンピックでもだらしのない服装をして謝っていた若者がいたけど、ああいう場合も即刻出場停止でしょう、普通は。そういうことをビシッとやらなきゃ。マスコミも甘いです。政治家もそうでしょ。それと政治家の資金問題の件も頭にくる。親から数億円のお金をもらっておいて「知らなかった」っていう総理もおかしい。僕らがそれをやっていたら税務署から指摘されますからね、脱税で。これが日本中にある。ダメなものはダメということが社会的に必要です。それは一般の会社も同じで、社長の経費の使い方なんてまさにそう。いくら自分の会社だからって、好き勝手に使っていいなんてことはあり得ません。会社は働く皆のものなんですから、誰かが注意しないとね(笑)」

もうひとこと:2010年2月号「スーパーシニアな人」取材後記
河村さん曰く「商社マンから大学教授になって、何が驚いたかといえば会議ですね。そもそも会社の役員会とか会議というのは、何か目的があってやるもので、何かしらの結論を出して次の行動に向かうための、ある種の指針みたいなものなんです。ところが大学の会議というのは、ただの弁論大会みたいなもので、とにかく自分が主張するだけ主張してどうしてもだめだったらタコつぼに入って知らん顔をしてればいいっていう感じで始末に負えないんですよ(笑)。これにはほとほと参りましたね。これが本当のカルチャーショックだと思いました。もちろん今では笑い話ですけれど。当時は本当に腹がたって腹がたって仕方がありませんでした(笑)」

もうひとこと:2009年12月号「スーパーシニアな人」取材後記
武道家・大塚博紀さんのとっておきの一言
「武道には負けた相手のことを思い遣る精神がなければいけません。だから空手の試合でガッツポーズをする選手がいたら僕は厳しく諫めてからこう言います。『優勝した人は負けた人の悔しさ悲しさ、寂しさ、そういうものを分かってあげられる人間になりなさい』と。たとえ金メダルをとったって、何年かすればオリンピックの選手だって人々の記憶から忘れられちゃいますからね。本当に大切なのは人生の金メダルを取ることなんですよ。
 子供達に心はいくつ持っている? と聞くと、たいていは『一つ』と答えます。心は一つだけれども、人の心には善の心と悪の心があるから二つなんだよと教えてあげるとキョトンとしてますよ(笑)。可愛いですね。空手もそれと同じ。思い遣りの気持ちを持った素晴らしい未来の人材が空手の道場から次々と飛び出して行ってもらいたいですね」

もうひとこと:2009年10月号「旬これスーパーシニア」取材後記
世の中には「曲がったことが大嫌い!」という人がいる。私もできればそうでありたいと常々思っているが、本音と建前じゃないけれど、「イザ!」という時になると自分の意見をコロコロと使い分けたりしてしまう。情けないことだ。一方、ジャーナリストであり、今は縁あって文化女子大学附属杉並中・高等学校の校長先生を務める野原明氏は正真正銘筋金入りの直球派だ。ちなみに先生は酒を飲まない。飲んで本音を語り合おうなんていうタイプではなく、真っ昼間に渋茶を飲みながら、時には机を叩きながら、堂々と議論を戦わせるのである。腹を割ってとことん話し合うから信頼関係が生まれて“野原ファン”も次々と登場する。北海道を舞台にした炭鉱労働問題のときも、旧国鉄時代の不透明なストライキの時も、とっておきのニュースはいつも誰よりも先に野原氏のところに届いたという。周囲の記者はいつも不思議がっていたそうだ。「記者クラブで発表された内容だけで記事をまとめ、一流のジャーナリズムを気取っているような人間は信用できない」。夢見る少女たちに囲まれて好々爺を演出しているように見えても、もう一勝負したいと第三の人生を描き続けるダンディズム。“文大杉並”に可愛い娘を入れたいと願う親は、実は母親よりも父親のほうが多いというのも頷ける。野原明氏の旬よ、いつまでも!。